2011年08月

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2

今日は映画版ハリー・ポッターの最終作品となる『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』を観に行ってきました。ハリー・ポッターの映画は1作目の『賢者の石』から最終作まで8本、すべて映画館で観ました。原作もすべて原書で読みました。

ハリー・ポッター。

世界で、聖書の次に売れた本。

この本との出会いはもう10年前になるのかな? 最初は子供向けのファンタジーだと思って、食わず嫌いで避けていました。ハリー・ポッターの舞台となっているイギリスに住んでいながら、そして周りの大人が夢中になって読んでるのを見ながら、完全にスルーしていました。でも日本に帰国後、自分の住んでいたキングス・クロスが話に登場することを知り、興味が湧いて本屋さんでパラッとめくってみたんです。そして最初の1ページを読んだ瞬間……


こ……これは……!!

お も し ろ い!!!

(((( ;°Д°))))



と思い、その場でお買い上げ。それ以来、ハリー・ポッターは私の人生の手引きとなり、生きがいのうちのひとつにもなったのでした。ハリー・ポッターは、実際に読んでみたら全くファンタジーではありませんでした。むしろかなり現実的な話だった。虐待、いじめ、体罰、裏切り、恋、奴隷、愛する人の死、政府の誤った政策、差別、戦争など、社会におけるあらゆるテーマが含まれてる。それを魔法の世界という設定でカモフラージュしていることが、この作品のすごいところです。現実の世界の設定だったら、ちょっと思想的になりすぎてたかもしれない。

ハリー・ポッターをよく知らない人のために、どんな話なのか詳しく説明したいところなんだけど、今日はせっかく映画を観てきたところなので、とりあえずその感想だけ書きます。



[ 注意!] この先はネタバレがてんこ盛りなので、まだラストを知らない人はご注意ください。あと、ハリー・ポッターの基本的な情報を知らない人が読んでも全然おもしろくないと思います。



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この作品の画像を検索していたら、「THE END OF AN ERA」という文字を見つけてグッときました。まさに「ひとつの時代の終焉」。物語の中でもひとつの時代が終わるし、この作品を楽しんできた我々にとってもひとつの時代が終わります。キャッチコピーの「IT ALL ENDS」も素晴らしいですね。「すべてが終わる」。

私は最初の頃からスネイプが一番好きで、この映画をきっかけにスネイプを演じるアラン・リックマンのファンにもなりました。たいして映画好きでもないにも関わらず、アラン・リックマンが出演した映画の大半とまでは言わないけど、かなり多くの作品を観ました。そんなスネイプですが、原作者のJKローリングはスネイプのことを以前から「第二の主役」と呼んでいました。


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物語のラストを知らない人には、なぜスネイプが「第二の主役」なのか分かりませんよね。でもよく考えてみたら、一作目からスネイプは継続的に重要な役割を担っていたことが分かります。

アラン・リックマンはスネイプにキャスティングされた時、スネイプの真意がつかめなかったためJKローリングに電話をしたそうです。すると後日、JKローリングはアラン・リックマンに「スネイプはハリーの母親を愛していた」とだけ書いたメモを渡したそうです。そのためアラン・リックマンは常にそれを念頭に置いてスネイプを演じていて、監督から「もっとこう演じて。なぜそんなふうに演じるの?」と言われた時、アラン・リックマンは「スネイプに関して君が知らない事実があるんだ」と答えたんだとか。

それまでスネイプは、ハリーの父親であるジェームズとの少年時代の確執のせいで、ハリーのことを毛嫌いしていると思われていました。ところが実際は、スネイプはハリーの母親であるリリーを愛しており、ハリーのことは大切に見守ってきたのです。もちろんジェームズの面影のせいでハリーを憎々しく思うこともあったため、愛憎が入り混じった状態だったのでしょう。

アラン・リックマンは、スネイプがリリーを愛していたという事実を知っているのは自分だけだということで、長年プレッシャーを感じていたそうです。自分のせいで秘密が漏れたらどうしようって。だから映画が終わって、JKローリングが「アランには『スネイプがリリーを愛していた』と書いたメモを渡した」というエピソードを公表したあとも、テレビ番組で「JKローリングからもらったメモにはなんて書いてあったの?」と聞かれても「誰にも話さないと約束したから、映画が終わった今も誰にも話さない」と断っていました。アランの誠実な人柄を感じた瞬間です。

あれ、なんだかハリー・ポッターの映画の感想じゃなくて、アランのファンブログみたいになってきた(笑)

気を取り直してっと。



それにしてもリリーはジェームズのどこが良かったのかなぁ。正直イヤな奴っていうイメージしかない。いくら大人になって心を入れ替えたって言っても、ああやって集団で一人を攻撃するような人はティーンエイジャーであってもイヤだなぁ。スネイプもなかなかイヤな奴だったとはいえ、なんだかなぁ。JKローリングは「スネイプが闇の世界にさえ惹かれなければ、リリーはスネイプを選んでた」って言ってたけど、どうなのかなぁ。

スネイプは少年時代があまりにつらかったから(ネグレクトをされて育った)、闇の世界に惹かれたのは仕方ないとも思う。特に思春期ってそういうものだったりする。寂しい少年時代を過ごたスネイプだからこそ、幸せになってほしかったし、理解者に出会ってほしかった。そこに救いを見出したかった。

……ってこれは原作の話か。

えっと、映画のレポね。

まず、最初に3Dでホグワーツが映った瞬間、ドドーーーって涙が出てきました。「わ! ホグワーツに来ちゃった! 本物のホグワーツ見ちゃった!」って思った。それくらい3Dの臨場感はすごかったです。


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映画は最初から最後まで暗かった。いつもみたいに笑う要素がどこにもなかった。この最終作品は、完全に戦争映画だった。愛する人が次々に死んでゆく。

この作品のすごいところは、主要人物も容赦なく死ぬところ。だからウソが無い。杖を持って魔法の呪文を唱えて戦ってるけど、あれを銃に置き換えたら、本当にただの戦争だよね。心の弱い者たちは独裁者に媚びへつらい、善良な人々を裏切り、あざむき、バカみたいに薄笑いを浮かべながら殺す。悲しいけど、これが戦時下の現実だなって思った。


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そしてスネイプにとって、愛する人(リリー)を結果的には死に追いやってしまった後悔を胸に生き続けること、それを償うためにダブルスパイとして生きること、そして尊敬するダンブルドアを殺さなければいけないこと、それがどれだけつらかったことか。その辺の背景や心理描写は映画ではあまり描かれてなかったけど、アラン・リックマンの素晴らしい演技力でカバーできていましたね。

ハリーがシリーズを通してあらゆる人から言われてきた言葉 ― 君の目は母親と同じだ。

この言葉を、スネイプが死の淵に立って言いました。そしてそれがスネイプの最期の言葉となりました。しかし原作では「こっちを……見ろ……」が最期の言葉だったので、映画には若干の違和感がありました。原作では「こっちを見ろ」だけでも、その後に描写されるスネイプとリリーのストーリーがとても丁寧なので、「ああ、『こっちを見ろ』と言ったのは、最期にリリーと同じ目を見たかった(看取られたかった)のだろうな」というのが理解できるのですが、映画では時間の都合上スネイプとリリーの子供時代の話がザックリとしか描かれていないので、「君の目は母親と同じだ」という少々説明じみたセリフになったのでしょう。

とにもかくも、子供の頃からずっとリリーのことを一途に想い、亡くなってから17年経ってもずっと変わらず愛し続けたリリーと同じ目に看取られながら逝ってしまったスネイプ。


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ダンブルドアの生き方もすごかった。自分の家族は守れなかったけど、そのせいで家族や村人からは恨まれたかもしれないけど、家族という小さな単位ではなく、人類という単位でものを見ている。ハリーのことを誰よりも憎んでいるように見えたスネイプが、ハリーのことを誰よりも大切にしているように見えたダンブルドアに向かって言いましたね。「ハリーに適切な時に死んでもらうために、これまで生かしてきたのか!」って。

スネイプの本当の姿が垣間見えるセリフだった。だけどダンブルドアはやっぱり人類という単位でものを見てるから、ハリーの犠牲も仕方ないと思ってる。それに、ダンブルドアはハリーは生き抜くことができるって信じてる。


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一作目から足かけ10年、ずっと見てきたホグワーツがボロボロに破壊された姿を見て愕然としました。戦いが終わった後も、いくら魔法界といえど復興についても考えちゃいました(っていうかフィクションだけど)。

権力にしがみつく魔法省のバカな対応のせいでこじれた面もあるので、フィクションとはいえ真剣に怒りが込み上げてくる。国民の命より、権力をキープすることのほうが大事なあの人たち。

せめて復興だけは責任持ってやれよ!


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たくさんの尊い命が犠牲になったけど、ネビルが言ってた。「無駄死にじゃない」って。「心の中で生きてるから、自分も最後まで戦うんだ」って。ネビルも両親が闇の魔法によって精神が錯乱しているというつらい事実を隠して、明るく生きてきたもんね。本当はいろいろ抱えてるけど、見せないだけ。だけどそういう子は、こういう時に強いよね。本当によく戦ったと思う。(←誰)


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あまりに話が壮大すぎて、なかなかうまく書けない。自分の文章力ではこの作品の素晴らしさは伝えきれません。感動して泣き続けた2時間半だったけど、「泣けた」って表現ではあまりに稚拙だし。

とにかく『ハリー・ポッター』という作品に出会えたのは、私の人生にとって本当にラッキーな出来事でした。一人の少年が大人になる過程で、たくさん勉強もして、恋もして、大切な人を亡くして、重い運命を背負って戦争で戦い、苦しみもがきながら成長していく。私が読み始めた時はちょうど3巻が出た頃だったので、4、5、6、7巻と数年おきにワクワクしながら出版を待って発売日にゲットし、映画も公開されるたびに前売券を買って観に行き、ハリー、ロン、ハーマイオニーたちと一緒に私も成長してきました。

この作品は「児童文学」にカテゴライズされてるけど、5巻(映画では5作目)以降は完全に大人向けですね。子供にはこの物語の神髄は理解できないと思います。逆に1~2巻はだいぶ子供向けのストーリーなので、この2冊を読むのがしんどい大人もいるかもしれない。でも騙されたと思って、そこを乗り越えてください! 途中からは完全に人生観や思想などについて考えさせられる、大人向けの現代文学となっていきます。

とりあえず、お三方。本当にお疲れさまでした! こんなちっちゃいときから、10年もの長きにわたって素晴らしい作品を届けてくれてありがとう!


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でもね、映画もお勧めだけど、やっぱり原作のほうがお勧めなのです。もっと言うと、日本語訳じゃなくて原書(つまり英語版。しかもイギリス英語版)が一番お勧めです。JKローリングの表現力というか、描写の細かさというか、文章を読んでると映像が勝手に浮かんできてしまう文章力には圧倒されます。挿絵がひとつもないのに小学生が夢中になった理由は、そこにある。日本語訳のほうは最初の数ページを読んだだけで、文章力がイマイチに感じてすぐに本を閉じました。

1巻の『Philosopher's Stone(賢者の石)』は子供向けで読みやすいので、高校生くらいの英語力でも読めるはずです。ページも少ないです。3巻あたりから少しずつ大人向きになってきて、5巻あたりからは大人でもちょっと難しくなります。ページ数もかなり多くなりますが、夢中になって読んでると割とあっという間に読み終わります。

でも映画ももちろんお勧めなので、読むのがしんどい方は映画でどうぞ! 通常どんな作品であっても、原作ファンは映像のほうに不満が出るものですが、ハリー・ポッターに関してはそういう不満はありません。キャスティングも最高だし、セットや小道具なども原作に忠実に作られています。時間に制限があるため、どうしても原作で出てくる描写の多くが飛ばされてしまいますが、それでもストーリーの概要はつかめるはずです。

物語が完結した今、一気に読んだり観たりしてみてはいかがでしょうか~!




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Harry Potter Box Set: The Complete Collection Children's


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